観光地の販路拡大・マーケティング強化
デジタルマップ導入による観光客の周遊促進とデータ活用
公益社団法人宇治市観光協会
京都府宇治市
- 課題
- 平等院など一部エリアの混雑と、周辺スポットへの広域な周遊促進不足が課題である。移動傾向や滞在時間などのデータも把握できていなかった。
- 導入・支援による効果
- マップのWeb公開により観光客の利便性が向上した。
観光協会と掲載事業者との関わる時間が増え、連携が強化された。
デジタル化に対する理解が進み、DXへの意識改革に繋がった。
- 導入ソリューション
- デジタルマップの配信(Stroly)
-
実施年度
2025年度
-
事業者名
公益社団法人宇治市観光協会
-
エリア
京都府宇治市
-
参考URL
-
資料ダウンロード
デジタルマップ Strolyを導入
抱えていた課題について教えてください
これまで案内業務では紙の観光マップを使用してきましたが、インバウンド対応やデジタル媒体への対応、そして人流データの活用が十分に行えていないという課題がありました。また、平等院など一部のエリアに観光客が集中して混雑が発生している一方で、周辺エリアへ広域に観光客を誘導できていないことも大きな課題でした。
具体的にどのような悩みがありましたか
観光客の多くが一部のエリアに集中し、少し離れた魅力的なスポット(萬福寺など)まで足を運んでもらえていませんでした。また、観光客の移動傾向や滞在時間、どこから来ているかといったデータを持っておらず、年に1回程度のアンケート結果や感覚に頼って判断をしていました。
さらに、紙のマップでは住所や店名程度しか載せられず、情報の更新もできないため、今の時代に合っていないという悩みもありました。
今回の補助事業を知ったきっかけと申請の経緯を教えてください
観光庁の公募情報を常に確認しており、そこで知りました。以前からデジタル化を進めたいと検討してはいたのですが、システム導入に係る費用の確保が難しく進んでいませんでした。しかし、この事業を活用すれば予算の課題をクリアし、スピード感をもって導入できると考え、申請に至りました。
導入したソリューションはどのようなものですか
株式会社Strolyのデジタルマップを導入しました。このサービスは、特許技術により、デフォルメされたイラストマップ上でもGPSと連動して正確な現在地を表示させることができます。各スポットの写真や詳細情報、ホームページへのリンクなどを掲載でき、Web上で多言語配信も可能です。


移動傾向や滞在時間などのデジタルマップから得られるデータのイメージ
ソリューション導入にあたって苦労した点はありますか
導入にあたっては、事業者の方々の意識改革に少し苦労しました。最初は「紙のマップが良い」とデジタル化に抵抗を示す声もありましたが、実際に完成したマップの画面を見せ、詳細な店舗情報や写真が掲載できることを説明していくことで、徐々に理解を得ることができました。
現場の負担はどのように変わりましたか
紙のマップの時はFAXやメールでのやり取りが中心でしたが、デジタル化にあたって掲載用の写真を直接お店へ撮りに伺うなど、事業者と関わる時間が増えました。その結果、これまで知らなかった情報をいただけたり、地域の事業者との連携がより深まるという良い変化がありました。
観光DXの推進においてポイントを教えてください
ゼロから新しいマップを作るのではなく、20年ほど地域で親しまれてきた紙のイラストマップのデザインをそのまま活かしたことです。馴染みのあるデザインだったため、地域の皆様にも受け入れてもらいやすかったと思います。
また、自分たちで写真を用意するのが苦手な事業者に対しては、我々が撮影をサポートするなど、参画のハードルを下げて少しずつ進めることも重要だと感じました。
最後に補助金活用を振り返っていかがでしたか
導入意欲はあっても予算確保が難しかった中で、補助金を活用してスピード感を持って導入できたのは非常に良かったです。今後はマップの利用者を増やし、これまで取れていなかった移動傾向や滞在時間などのデータを収集・分析していきたいと考えています。そのデータを市や地域事業者と共有し、市内の広域な周遊促進や今後の観光施策に生かしていくことがこれからの目標です。