専門人材による伴走支援

広域連携とデータ循環で稼ぐ観光DXプラットフォーム構築

一般社団法人 麒麟のまち観光局

鳥取県東部・兵庫県北西部

課題
CRM導入など点での取り組みは進めていたが、データを繋げて地域消費を循環させるノウハウが不足しており、自力でのプラン作成に限界を感じていた。
導入・支援による効果
広域のステークホルダーと「目指す姿」を共有することができた。
マーケティングプラットフォームの全体像が完成した。
持続可能なDMOの体制について、本質的な議論が進み始めた。
導入ソリューション
現状把握と課題の深掘り / マーケティングモデルの全体設計 / システム要件定義と最新技術の提案(AIコンシェルジュ、プレミアムマイマップ、接客コンシェルジュ、Tripla) / 持続可能なビジネススキームの検討(Tripla、旅先納税システム)

プレミアムマイマップ導入イメージ

抱えていた課題について教えてください

鳥取砂丘という強力な集客コンテンツがありながらも、滞在時間が短く周辺の1市6町への周遊や消費に繋がりにくい「通過型観光」になっていることが大きな課題でした。

また、広域ゆえに各市町の施策がバラバラでデータが散在しており、全体でのマーケティングが機能していない状態でした。

具体的にどのような悩みがありましたか

局内ではCRMの導入や情報発信など「点」での取り組みは進めていたものの、それらをどう繋げて最終的な消費やデータ循環のサイクルを作るかというノウハウがありませんでした。

また、事業者からは「OTA(旅行予約サイト)経由だと手数料が高いため、直販の仕組みを作ってほしい」という切実な声も上がっていました。

今回の補助事業を知ったきっかけと申請の経緯を教えてください

公募で知りました。実は令和5年度、令和6年度と過去2回DX関連の補助金に申請して不採択だったという経緯があります。採択された他地域の計画を見ると作り込みが凄く、自力の知識と経験だけでのプラン作成に限界を痛感したため、今回は消費拡大に向けた新しいシステムの知見を「専門人材から学ぶこと」を目的に申請しました。

専門人材による伴走でどのような変化がありましたか

点在していた取り組みが繋がり、令和8年度の導入に向けた「マーケティングプラットフォーム」の全体像を明確に描くことができました。AIを活用した周遊ルートの提案や、接客コンシェルジュ(CRM)でのデータ一元管理、直販特化の地域OTA(Tripla)の導入予定など、新しい技術の具体的な提案を受けました。

また、事業者の表面的な悩みから「問題が起こらないための仕組みづくり」へと論点を深掘りしてもらえたことも大きな変化です。

一般社団法人 麒麟のまち観光局が目指す姿


直販特化の地域OTAの導入イメージ

申請にあたって苦労した点はありますか

1市6町という広大なエリアでの関係者調整です。圏域全体で取り組む部分(圏域で予算化)と、鳥取砂丘で試行的に取り組む部分(鳥取市で予算化)の切り分けや、特定の地域から始める場合の予算負担のあり方については、ステークホルダー間で慎重な情報共有と議論が必要でした。

現場の空気感はどのように変わりましたか

専門人材という「外部の第三者的な視点」が入ったことで、地域のステークホルダーが客観的に新しい知見を聞き入れるようになり、広域での合意形成がスムーズに進みました。

また、導入を予定している地域OTAの手数料収入などを活用した、補助金に頼らない持続可能なDMOの自主財源確保について、本質的な議論が進み始めたと感じています。

専門家と実施したセミナーのチラシと資料

観光DXの推進においてポイントを教えてください

システムはすべてを解決してくれる魔法ではなく、どう使い、どう成果を出したいかという「意思」を持つことが重要です。ツールを入れることを目的とするのではなく、最初に「DMOとして目指す姿(目的や成果)」を明確にイメージし、競争するだけでなく地域で協力して持続可能な循環をどう作るか議論することが成功の秘訣だと思います。

最後に補助金活用を振り返っていかがでしたか

今回はシステムの実際の運用開始を令和8年度(2026年度)に据え、正確な効果が出るのは導入後2年後と長期的に見据えています。しかし、この伴走支援を通じて、地域として目指す姿を共有し、持続可能な取り組みのための「人・財源」の議論が本格的に進み始めたことが、何より大きな成果だと感じています。

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